消防士というと
「災害現場に駆けつけ、市民を守る仕事」
「街の安全を守るヒーロー集団」
「身体を鍛えていて逞しく、かっこいい」
そんなプラスのイメージを持ってくださる方が多いですよね。
事実、僕はの消防時代にお世話になった先輩には、常に勉強し身体を鍛え、私生活も律する素晴らしい方が多かったです。
ですが、実際に働くとマイナスな面も目立ってくるもの。
今回は、そんな消防の実態を解説していきます。
大学卒業後5年間、地方の消防本部に勤めていました。
海外の消防を見に行ったり、全国の他消防本部にも知り合いがいます。
これからは老後2000年問題も含めて厳しい未来が待っていると言われています。
消防になる、ならないは自由ですが、本記事が少しでもキャリアを真剣に考えるきっかけになれば嬉しいです。
目次
消防士をオススメできない人
消防士になるのをオススメしないのは、以下のような人たちです。
・正義感が強い人
・向上心が高い人
・創造力がある人
・地元のために働きたい人
正義感が強い人
正義感が強い人には、オススメしません。
なぜなら、『人としてどうなの?』という方が一定数存在するからです。
実際に、僕が入庁してすぐに不祥事が発生していました笑
よくある不祥事は以下のようなもの。
・男女関係
・お金関係
・パワハラ
もちろん、素晴らしい方もたくさんいます。
だからこそ、悪い部分が目立ってしまうのですが。
向上心が高い人
向上心が高い人も、あまりオススメしません。
多くの本部では、努力した分だけ正当な対価を得られないからです。
例えば、以下のように複数の資格を取得してフル稼働で活躍している人でも、その分の対価はほぼなく。
『何もしないおじさん』より給料が低かったりします。
・救急救命士
・大型免許
・救助隊
・水難救助隊
・休日も勉強し、研修などにも顔を出す
年収→400万円
・資格なし
・職場でひたすらスマホ見てる
・帰ってパチンコ
年収→700万円
それなりの規模で、昇格試験も整っている消防本部なら良いのですが…。
地方の消防本部なんかは年功序列の極みなので、向上心がある人が損します。
強いていうなら、規模の大きなところを選んでください。
創造力がある人
発想が豊かな芸術家タイプの人もオススメしません。
消防はマニュアル優先で階級社会の『命令絶対主義』です。
基本的には上からの命令に従って活動することが求められます。
あなたがどんなに素晴らしい画期的な戦術を思いついても、上がNO!って言ったらNOなのです。
渋川消防(群馬県・渋川市)のように、上層部が柔軟で積極的に新しい試みをするようなところなら強みを活かせるかもしれませんが。
地元のために働きたい人
地元のために働きたい!
これは私の志望動機でもありました笑
こういう人も、もう一度考えて見てください。
地方は少子高齢化により、どんどんと衰退していっています。
本当の意味で地元のために働きたいのなら、
事業を立ち上げて雇用を作る
これが一番貢献できるかもしれません。
もし、消防に入って本当の意味で地元のためになることをするなら、以下のようなことをしましょう。
『もらった給料を地元の店で使いまくって経済を回したいんです!(笑)』
『非番週休日に子供達にスポーツを教え、次世代の育成に貢献します!』
『非営利活動(NPO)法人を立ち上げて、地域のための活動をします!』
消防の仕事に一生懸命取り組むことも大事ですが、働いている時間以外の取り組みも大事。
消防士になるメリット・デメリット
何かをするときにはメリットデメリットをきちんと把握しておくことが大事。
全てがサイコー!っていう環境はなかなか無いのです。
こちらを踏まえて、なりたいかどうか、続けるべきかどうかを考えましょう。
消防士になるメリット
1理不尽に耐える精神力が身に付く
消防の世界は理不尽ばかりです。
民間でも理不尽はありますが、体育会系特有のヤバイ理不尽を経験できます。
ちなみに、僕は理不尽は経験しておくべきという考えです。
人と関わっていく以上、理不尽なことには直面しますし、そういったときの対処法も知っておいた方が良いかと。
2一般事務の公務員より少し給料が高い
消防士は時間外勤務手当などがつくこともあり、同じ自治体の他の職種と比べると給料が割高です。
特殊な仕事なので、その分優遇されている感じですね。
僕のいたところだと、一般事務採用と比べて初任給が2万円ほど高かった記憶があります。
公務員全般ですが、ローンが通りやすいので良い車とか家を手に入れやすかったりもします。
3体力がつく
これは言わずとも分かるかと。
体力錬成は必須ですからね。
特に筋力に関しては、入る前と入った後で全然違います。
4細かいところに気がつくようになる
所属にもよるかと思いますが、若手は細かな気配りを厳しく指導されます。
・先輩が重いものを持っていたらすぐに代わったり
・タバコの火をつけてあげたり(←これは最近はしないかと思うけど)
・床にほこりが落ちていたら拾ったり…。
正直めんどくさいんですが、ちょっとした変化などに敏感になるので現場対応にも活きるのかな〜と。
あと、こういう細かい気づきって他の仕事においても大切なことだなと感じます。
↑こんな感じに有難い指導をいただけます。
5突発的な事故でも、人を助けられる
救急隊でなくても、救命技術は身につけます。
実際に、非番週休日の消防士が人命救助などを行って活躍するケースはあります。
ある市の体育館で球技大会が行われていた際、参加していた男性が急に倒れた。
非番でたまたま居合わせた消防士が、AED(自動体外式除細動器)を使用して救命処置を行ったところ、男性は意識を回復した。
消防士になるデメリット
1健康を害しやすい
不規則な勤務体系、突発的な出動などで自律神経が乱れやすく、それによって不健康になりがちです。
特に、出動の多い救急隊は現場での緊張感も含むストレスにより、心身に不調をきたすケースが多いようです。
また、火災現場での活動で有害な物質を吸い込むことで、がんの発症率が上がります。
意外と知られていないのが、世界の消防士のがん発生率は63%と非常に高いことだ。
発がんリスクの高い有毒なすす等を発生する塗料や素材が燃焼する火災現場で、現場活動中は空気呼吸器で有毒化学物質や生物学的病原体を直接吸わなくても、防火衣、ヘルメット、空気呼吸器、ホースや筒先、鳶口、ロープなどにも発がん物質と疑われるものが付着している場合がある。
リスク対策.com 消防職員の発がん予防について より
2キャリアアップしにくい
仕事における知識、経験を高めて自らの市場価値を高める
そういったことに繋がりにくいです。
公務員の世界は数年単位で異動があり、上の意向次第で前年までとは全く違う仕事を1からしないといけないようなこともあります。
思い通りにばかりいかないのは消防の世界だけには限りませんが
狭い世界かつ、新しいことへの取り組みも進まないので、同じ年齢で民間でバリバリやっている人と比べると大きな差がついてしまいます。
あなたは消防士になりたい理由をちゃんと考えましたか?
ここまで、消防の現実を解説していきました。
すでに消防士になっているあなたも
これから消防士を目指そうとしているあなたも
もう一度、自分を見つめ直す時間を作りましょう。
・消防を目指した理由
・消防のメリット
・消防のデメリット
・将来なりたい自分
これらを箇条書きで出していくと、自分の目指すべき道が見えるかもしれません。
仕事の悪い面も含めて調べて、その上でチャレンジするならOKです。
仕事えらびのプロに相談
すでに消防士として働いている方は、転職関係のサービスに登録してみてもOK!
自分の現在の市場価値が分かりますし、足りないスキルを把握することにもなります。
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僕自身は田舎の消防でしたが、他の所属の消防士さんとのネットワークもありますので、可能な限り色々な疑問にお答えしたいと思っております。
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